ゴムの加工業者を選ぶ際に考慮すべきポイントは多数あります。今回は、ゴムの加工業者選びで重要となるポイントを解説していきます。
ゴム加工業者を選定するポイント
ゴムの加工業者を選定する際のポイントは、以下6つです。
・加工できるゴムの種類
・加工方法
・加工精度
・加工ロット
・加工リードタイム
・加工コスト
それぞれ詳細を解説していきます。
加工できるゴムの種類
ゴムの加工業者を選ぶ際に最初に重要となるのが、加工できるゴムの種類です。ゴムにはさまざまな種類があり、ゴムによって特徴や適した用途が異なります。
たとえば、ニトリルゴム(NBR)は耐油性に優れ、シリコンゴムは耐熱性と耐薬品性が高いといった具体例があります。工業用途でよく使われるゴムとして挙げられるのが、以下6つの種類です。
クロロプレンゴム
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NBR、EPなどとともに代表的な合成ゴムの1つで、耐熱性、耐油性、機械的強度、耐候性、耐薬品性などにバランスよく優れたゴムです。
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ニトリルゴム(NBR)
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自動車部品や機械部品などによく使用されるゴムで、主に耐油性が求められる場面で使用されます。
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EPゴム
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エチレンとプロピレンを主原料とした耐候性に優れたゴムで、自動車部品、建設機械部品、医療器具などでよく使用されています。
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ウレタンゴム
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ポリウレタン樹脂を加工したゴムで、機械強度、耐摩耗性に優れています。
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シリコンゴム
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耐熱性や耐薬品性に優れ、食品機械用途にもよく使用されてます。
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フッ素ゴム
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耐熱性、耐薬品性、耐炎性、耐オゾン性、耐候性などに優れていて、半導体製造装置、自動車、医療、食品関連のほか、住宅設備にも活用されています。
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加工方法
次に重要となるのが加工方法です。加工方法によって製品の品質、寸法精度、生産効率が左右されるため、加工方法の選択はこのあとに解説する精度、ロット、コストなどにも大きく影響します。
また、加工方法によっては初期投資が大きくかかることもあります。代表的な加工法として挙げられるのが、以下9つです。
抜き加工
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薄手のゴム板を鉄型や木型で打ち抜いて形状を作る方法です。
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裁断加工
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シャーリングや裁断機とタガネで裁断して形状を作る方法です。
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機械加工(切削)
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工作機械を使って切り出す方法です。
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押し出し
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口金(穴の空いた金属片)を通して、ところてんのようなイメージで押し出すことによって形状を作る方法です。
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プレス成形
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ゴムコンパウンドを金型に挟んでプレス機で成形する方法です。
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巻き蒸し
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マントルと呼ばれる金属の芯棒に生ゴムを巻き、外側に布を巻き付けて蒸気で加硫する方法です。
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ライニング
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金属のロールなどに生ゴムを貼り付けて加硫し、外側を仕上げる加工方法です。
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スリッター加工
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ゴムシートを細長く切り分ける方法です。
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手加工
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職人が手作業でゴムを成形する方法です。
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加工精度
要求する精度が実現できるかどうかも重要なポイントです。加工精度を考える際に工業用ゴム製品寸法公差表が参考になります。
1級(精級)は、精密な公差を要求されるもので利用され、金型で成形される際の精度です。2級(並級)は、押し出しや抜き加工で利用されています。3級(粗級)は、細かい精度が要求されないゴムホースやゴムの穴寸法などで利用されています。
寸法区分(mm)
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1級(精級)
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2級(中級)
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3級(粗級)
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0.3~3未満
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±0.2
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±0.3
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±0.4
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3~6
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±0.2
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±0.4
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±0.5
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6~10
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±0.3
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±0.5
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±0.6
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10~18
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±0.3
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±0.6
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±0.8
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18~30
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±0.4
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±0.8
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±1.0
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加工業者を選ぶ際には加工精度の基準を明確に設定し、それを遵守できる加工業者を選定することが不可欠です。
加工ロット
加工ロットによって選ぶべき加工業者も変わります。小ロット対応が可能な業者であれば、数十から数百枚程度の製作も可能で、加工業者によっては1個からでも対応できる業者があります。大量生産に特化した業者を選べば、コストを大幅に削減できる可能性もあるでしょう。
加工リードタイム
スケジュール管理という点では、加工のリードタイムも重要となるでしょう。一般的に加工業者が在庫を持っている材料を使う場合は、納品までのリードタイムを短くできます。一方で巻き蒸しのような加工だと、2週間程度を要することもあり得ます。
加工コスト
最後に重要となるポイントは加工コストです。コストは加工方法、ロット、リードタイムによって大きく変動します。たとえば、プレス成形は金型製作に初期投資が必要になるものの、大量生産に移行すると製品単価は大幅に低下します。
一方で、少量生産に適した加工方法は初期コストが低いものの、単価が高めになることがデメリットです。また、緊急対応が必要な場合は、その分追加コストが発生することもあり得ます。
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