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平革ベルトと丸革ベルトの基礎【選び方・製造プロセスも紹介】

2023/12/18

 

平革ベルトと丸革ベルトの基礎【選び方・製造プロセスも紹介】

 

革製品はその耐久性と美しさで、多くの場面で活用されています。工業用途や装飾品の分野で、実用性の高さから幅広く使用されているのが平革ベルトや丸革ベルトです。今回は、工業用平革ベルトや丸革ベルトの基本知識、特徴、用途などを詳しく解説していきます。
 

革の特性

平革ベルトや丸革ベルトに用いられる革には、以下8つの特徴があります。

 

  • 吸湿性・放湿性が優れている:この性質により、革は「呼吸している」と表現されることもあります。自然皮革の場合、人工皮革に比べても吸・放湿性に優れていることで知られています。

  • 吸湿時に熱を発生する:湿気を吸収すると発熱する性質があります。近年、発熱性繊維が広く普及していますが、皮革は元々優れた発熱性素材として知られています。

  • 適度な可塑性がある:この性質により、革の型押しや靴の成形が比較的容易にできます。靴が足になじむのも可塑性があるためです。

  • 燃えにくく熱を伝えにくい:一般的な繊維と比べると燃えにくい性質があります。

  • 湿潤すると熱に弱くなる:湿潤した状態で高熱に晒すと収縮してしまうので、注意が必要です。

  • 水に濡れると形状、風合い、光沢が変化しやすくなる:革をを水に濡らしてから乾燥すると収縮して硬くなることがあります。また、濡れることで風合いや光沢も変化してしまうことがあります。

  • カビが生えやすい:湿度・温度が高いと表面にカビが生えてしまうことがあります。

  • 色落ち、色移行することがある:革は染色時に高温にできないので、染料と革の結合が弱くなりがちです。そのため色落ちをしたり、他の繊維などに色移行してしまうことがあります。

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平革ベルトの基礎知識・特徴・用途

平革ベルトの基礎知識・特徴・用途


平革ベルトとは、平らな形状をした革製のベルトのことです。主に、牛革を原料としており、耐久性に優れた工業用ベルトとして広く利用されています。このベルトは、特定の幅に革を裁断して必要な長さに接着して作られていて、幅広い用途で使用できます。

 

平革ベルトの最大の特徴は、柔軟性と耐久性が高いことです。その特徴を生かして平革ベルトは伝動ベルトとして用いられているほか、産業機械の部品や装飾品としても活用されています。

平革ベルトには一般的に伸張処理が施されています。革は引っ張ると伸びてしまう特性があるので、あらかじめ引っ張って革が伸びない状態にしておく処理のことです。この伸張処理を施すことで、平革ベルトが使用中にたるむことを防ぎ、機械の動作を安定させられるようになるのです。
 

平革ベルトの寸法

平革ベルトは、顧客のニーズに合わせてさまざまな寸法で製作することが可能です。

たとえば、幅20mmから150mmまで、また厚みは一層で3mmから6.5mm、二層だと12.5mm程度までが一般的な対応範囲になります。長さは、数cm(センチメートル)~60m(メートル)ほどが一般的な対応範囲です。平革ベルトはお客様ご指定の寸法に作るオーダーメイドで作ります。
 

平革ベルトの選び方

平革ベルトの選定では、耐久性と品質が重要なポイントになります。

特に、牛革の背中の部分は固く耐久性に優れていますが、腹の部分は柔らかく、異なる用途に適しています。かつては背中の部分のみを使用した「金色ベルト」として販売されていましたが、現在ではこのような区分はなく、全体的に均一な品質を持つベルトが主流です。


平革ベルトの製造プロセス

平革ベルトを製造するときは、まず高品質の牛革を選定した上で、必要な幅に裁断します。その後、伸張処理を施して革が伸びにくい状態にして、必要な長さに接着して強度を確保します。この一連のプロセスを通じて、耐久性に優れ、かつ柔軟性を保った平革ベルトが製造されるのです。
 

丸革ベルトの基礎知識・特徴・用途

丸革ベルトの基礎知識・特徴・用途

丸革ベルトは、断面が円形の革ベルトのことです。丸革ベルトも工業用途で多く使われており、東京機革では工業用の丸革ベルトを取り扱っております。


丸革ベルトの代表的な特徴は、縦方向の引っ張りに対して伸びにくいことです。この性質は、特に機械の伝動部分で重要な特性になっていて、革ベルトがたるむことなく効率的に力を伝達できます。丸革ベルトの素材は天然皮革の牛革が多く、その丈夫さと耐久性が工業用途には特に適しています。

 

丸革ベルトの寸法

丸革ベルトで製造される直径や長さは多岐にわたります。直径は一般的に2mmから12mmまで、長さは50m程度までが対応範囲で、用途に応じて最適なサイズの丸革ベルトを選択できます。丸革ベルトの場合、基本的にはある程度規格が決まっていてそこからカットするだけという加工がメインです。
 

丸革ベルトの選び方

丸革ベルトで製造される直径や長さは多岐にわたります。直径は一般的に2mmから12mmまで、長さは50m程度までが対応範囲で、用途に応じて最適なサイズの丸革ベルトを選択できます。丸革ベルトの場合、基本的にはある程度規格が決まっていてそこからカットするだけという加工がメインです。
 

丸革ベルトの製造プロセス

丸革ベルトの製造には、一枚の革から渦巻き状に材料を切り出す技術が使用されます。この方法によって、つなぎ目のない長いベルトを製作可能で、強度と柔軟性を確保できます。
 

主な革の種類

主な革の種類

平革ベルトや丸革ベルトの製造に使われる革としては、クローム革とタンニン革があります。これらはそれぞれ異なる特性を持ち、革製品の用途や質感、耐久性に大きな影響を与えます。

クローム革

クローム革とは、塩基性硫酸クロムを使用してなめされた革で、現在流通している革の大部分がこの製法で作られています。この製法を使用する理由は、大量に短期間でなめせることと、薬剤が比較的安価であることです。

クローム革の特徴としては、色の変化が少なく、軽くて柔らかい質感があり、耐熱性に優れている点が挙げられます。そのため、耐久性と柔軟性を必要とする製品に適しています。

かつては耐熱用革パッキン用に使用されていましたが、絞り物の革パッキンを作るのに十分な品質の革が入手できなくなり、一部の平パッキンを除いて製造が終了しました。
 

タンニン革

タンニン革とは、植物タンニンを使用してなめされた革で、ヌメ革とも呼ばれるものです。タンニンは植物の渋などに含まれるポリフェノールの総称で、このタンニンによってなめされた革は硬くて丈夫で、ハリ・コシがあり、型崩れしにくいという特徴を持ちます。

また、植物タンニンは日焼けや油分を吸収しやすいので、経年変化の度合いが大きく、個々の使用状況によって独特の風合いを出せることが大きな魅力となっています。

タンニン革の種類は、ヌメ革、多脂革、その中間にあるヌメ多脂革の3つです。多脂革はヌメ革に比べて植物タンニンを長い時間かけて浸透させます。そのため、多脂革の方がヌメ革よりもタンニンの含有量が多くなり、適度な柔らかさを持ち強度も強い革に仕上がります。

弊社では、半裁のヌメ多脂革を、バット、ベンズ底革(象皮)の多脂革を用いています。現在では平革ベルト、丸革ベルトとともに利用されている革のほとんどがタンニン革です。

 

まとめ

まとめ

平革ベルトや丸革ベルトは、その用途や製造方法に応じて多様な形状や特性を持ちます。適切なベルトを選ぶことは、その使用目的を最大限に引き出す鍵となります。また、クローム革とタンニン革の違いを理解することで、革製品の品質を見極める上での参考にもなることでしょう。

そのような革製品の加工を考える際には、専門知識を持つ老舗企業のアドバイスを受けるのがおすすめです。昭和8年創業の株式会社東京機革は、加工のプロとしてさまざま革製品の加工をお客様のご要望にあわせて実施しています。

まずはお電話(03-2623-0111)、FAX(03-3621-1923)、またはお問い合わせフォームからご相談ください。お客様のニーズにあわせて最適な加工方法をご提案いたします。短納期・小ロットであっても可能な限り対応してまいります。
 

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