シール材などでよく使われるスポンジには、さまざまな材料があります。代表的なのは、ネオスポンジと、シリコンスポンジです。今回は、ネオスポンジとシリコンスポンジの特長や用途、加工方法について解説していきます。
ネオスポンジ(ネオプレンスポンジ)の特徴・用途
ネオプレンゴムは、別名クロロプレンゴムと呼ばれていて、クロロプレンの重合によって作られる合成ゴムのことです。ネオプレンという名称は商品名なので、本来であればクロロプレンゴムと呼ばれます。
このネオプレンゴムは、その加工性の良さから多岐にわたる用途で利用されています。ネオプレンスポンジは、このネオプレンゴムを発泡させたもので、「ネオスポンジ」や「CRスポンジ」とも呼ばれます。
ネオプレンスポンジには、以下のような特長があります。
-
・軽量である
-
・吸水性が低い
-
・耐候性に優れている
-
・難燃性に優れている
-
・衝撃吸収性が高い
-
・密着性・気密性に優れている
ネオプレンスポンジの主な用途として、シール材、止水材、防振などのパッキンがあります。
ネオプレンスポンジには単泡スポンジと連泡スポンジの2種類があり、単泡スポンジは泡が閉じた空間になっており、空気や水を通しません。そのため、ガスケットとしては単泡スポンジが主に使われています。一方、連泡スポンジは隣の空間とつながっており、空気や水を通す特性があり、普通の台所のスポンジやフィルターなどに使われています。
ネオプレンとクロロプレンの違い
ネオプレンとクロロプレンは同じものです。ネオプレンは、アメリカのデュポン社の商品名で、一般名称はクロロプレンとなります。また、CRゴムという呼び方もあり、これは、クロロプレンの略称となります。化学的にはクロロプレンゴムと呼ぶのが正しい呼び方になります。
ネオプレンスポンジの一般的な硬度
ネオプレンスポンジの硬度は標準的には25度程度ですが、他の硬度のネオプレンスポンジも存在していて、柔らかいものだと10度程度、硬いものだと50度程度のものがあります。
ネオプレンスポンジの耐熱温度
耐熱温度は使用する条件によって異なりますが、60~70℃が目安です。
シリコンスポンジの特徴・用途
シリコンスポンジは、シリコンを原料とし、架橋剤や発泡剤を混ぜて発泡させたゴムスポンジの一種です。シリコンゴムの特性を持ちつつ、発泡により軽量化が実現されています。
シリコンスポンジには、以下のような特長があります。
-
・軽量である
-
・断熱・保温効果が高い
-
・気密性が高い
-
・耐熱性に優れている
-
・顔料の配合によって多彩な色に対応可能である
-
・電気絶縁性に優れている
-
・一部の製品は食品衛生法にも適合できる
これらの特長から、パッキン・シール材として利用されていて、特に熱のかかる部分や、食品関連の機械でも積極的に利用されています。
シリコンスポンジの一般的な硬度
メーカーカタログによると、シリコンスポンジの硬度は5度から25度程度のものが掲載されています。しかし、25度以外のシリコンスポンジは取り寄せるのにかなりまとまった数量が必要となるので、少量での加工の場合はほとんどが25度のスポンジになります。
シリコンスポンジの耐熱温度
利用条件によっても異なりますが、一般的に耐熱温度は-60℃から200℃までが目安となっています。
ネオスポンジ・シリコンスポンジの主な加工方法
ネオスポンジ・シリコンスポンジの主な加工方法として、以下5つが挙げられます。
抜き加工
抜き加工とは、刃物をつけた抜き型でシート状のスポンジを打ち抜く方法です。金型は不要で、木型(ビク型)などの安価な型で大量に生産できるメリットがあります。立体的な加工は無理で、二次元の加工しかできませんが、平面的な形状や穴あけ程度であれば、抜き加工でも実現可能です。
切削加工
切削加工とは、板材から削り出して加工する方法で、スポンジの場合は砥石による切削が一般的です。切削加工は形状を比較的自由に作れるメリットがあるものの、一般的にコストのかかる加工方法です。しかし、形状やロットによっては、他の加工方法よりも切削加工の方がコスト面で有利な場合があります。特に1個から製作するような極小のロットだと、切削加工での対応がおすすめです。
シャーリングやスリッター、カッターやポンチなどによる手加工
シャーリングやスリッター、カッターやポンチなどを使って手加工する方法です。
カッティングプロッター加工
カッティングプロッター加工とは、CADの図面どおりに刃物が動いて、板状の品物に切っていく加工方法です。型代を必要としないことがメリットで、20個未満程度の小ロットで薄いシート状のスポンジをカットするときに適した方法です。
押し出し
押し出しは、スポンジの材料を口金(穴の空いた金属片)に通して、ところてんのようなイメージで押し出すことによって形状を作る方法です。丸や四角などさまざまな断面形状を押し出して形成できます。ただしスポンジの場合は、押し出しでコストを合わせるためには、相当量を確保する必要があります。
まとめ
さまざまな用途に汎用的に用いられるネオスポンジやシリコンスポンジですが、加工の際には形状や用途にあった加工方法を選択する必要があります。
ネオスポンジやシリコンスポンジの加工先をお探しなら、昭和8年創業の加工のプロである株式会社東京機革までご連絡ください。短納期・小ロットであっても可能な限り対応してまいりますので、まずは電話(03-2623-0111)、FAX(03-3621-1923)、または以下のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
さまざまな加工方法の中から最適な組み合わせをご提案いたします。
>>お問い合わせフォームはこちら