ガスケットとパッキンは、配管や機械の部品の間に挟んで液体や気体などの流体が漏れないようにするシール材です。
では、この2つは具体的に何が違うのでしょうか?
この記事では、ガスケットとパッキンの定義、特徴、使い方、種類について解説します。
ガスケットとパッキンの違い
ガスケットとパッキンの最も大きな違いは、使われる場所です。
ガスケットは静止部分に使われる
ガスケットは、配管用フランジなどパイプの継ぎ目が動かない部分、つまり静止部分の漏れ止めに使用されます。
たとえば、水道管やエアコンの冷媒管などでシール材として使われるのがガスケットです。
ガスケットは、一般的に金属や非金属(ゴムやプラスチックなど)で作られた平面状のシール材になっていて、パイプ同士をボルトやナットで固定する際に、締結部分に挟み込む形で利用されています。
パッキンは動く部分に使われる
パッキンは、シリンダーとその中を上下にピストン運動するシリンダヘッド間の漏れ止めや、回転軸部分の漏れ止めに使用されています。
たとえば、自動車やバイクのエンジンやポンプ、水道の蛇口など、シール部分が駆動するところで使われるのがパッキンです。
パッキンは常に他の部品と緩衝し摺動するため、耐摩擦性に優れ、摩擦係数の低いものが求められます。
パッキン自体も激しく摩耗するので、材質選定を間違えると交換・メンテナンスの頻度が多くなってしまうことに注意が必要です。
パッキンも、ガスケットと同様に金属や非金属(ゴムや繊維など)で作られていて、円形やリング状のほか多様な形状で作られています。
ガスケット・パッキンの種類
上記のとおり、動く場所に使うものが「パッキン」で、動かない場所に使うものが「ガスケット」ですが、さらに細かく分類すると以下の表のようになります。
回転運動用のパッキンは、シャフトなどの回転物と、ハウジングなどの回転しない物との間などで利用され、グリースやオイルの漏れを防ぐのに使用されます。
代表的な回転運動用のパッキンは、相手物に軽く接触してシールする接触型と、ごくわずかな隙間を残したままシールする非接触型の2つです。
往復運動用のパッキンは、ピストンとシリンダーとの間などで使用され、空気圧や油圧でピストンを押し出す際に空気や油の漏れを防ぐのに使用されます。
代表的な往復運動用のパッキンには、シール部の形状が唇のようになったリップパッキンと、ゴム状のものを相手物に圧着しつぶして使うスクィーズパッキンの2つです。
ガスケットは、素材によって金属系のものと、非金属系のものに分けられます。
いずれもフランジで締結する際のシール材としてよく用いられています。
※オイルシールは広い意味でパッキンの一部ですが、リップパッキンを狭い意味でパッキンと表現し、オイルシールとパッキンを別のものとして区別することもあります。
規格品を製作しているメーカーのカタログではパッキンとオイルシールの2つに分けて分類しています。
※シートパッキンという表現もあります。
これはジョイントシートやゴム、オイルシートなどシート状の材質から打ち抜きやプロッタ加工などで製作されたガスケットのことです。ジョイントシートガスケットを指す場合もあります。
ガスケット・パッキンの選び方
ガスケットやパッキンには様々な形状・厚さ・材質があるので、最適なものを選ぶ必要があります。たとえば、以下のようなチェックポイントがあります。
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弾力性(柔軟性):相手物との接触表面と馴染み、破壊しない強度があるか
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耐熱性(耐寒性):使用する温度に耐えられるか
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耐圧性:使用する圧力に耐えられるか
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安定性:使用する環境下で長期間シール性能を発揮できるか
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耐薬品性:流体によって損傷を受けないか
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メンテナンス性:交換などのときに取り扱いしやすいか
これらのチェックポイントを参考にして、使用環境を考慮して流体の性質と相性の良いものを選びましょう。
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